2010年04月19日-3
新卒採用実施企業割合は初の2年連続減少~経団連

 日本経団連が会員企業を対象に2~3月に実施した「新卒採用(2010年3月卒業者)に関するアンケート調査」結果(有効回答数425社)によると、2010年卒採用の実施企業割合は91.1%と昨年度より4.7ポイント減少し、1997年度の同調査開始以来、初の2年連続減少となった。昨年度と比べた採用人数は、「増加」が14.2%に対し、「減少」が68.7%となり、7割弱の企業が今年度の採用人数を抑えた。

 採用人数が減少した理由としては、「経営環境の悪化」が60.5%でトップ、次いで「採用基準に見合う学生が少なかった」(13.9%)が続いたほか、「昨年度に例年以上の採用をしたため、今年度は適正水準に戻した」という声もあった。一方で、来年度(2011年卒)採用を実施する予定の企業割合は87.5%と、前年度より1.1ポイント増加し、昨年度の急落から若干改善した。来年度の採用は上向きにある。

 就職採用市場に関する評価では、2004年度調査(2005年卒)から5年間続いていた「売り手市場」評価が逆転し、「昨年に比べて買い手市場だった」とする企業は昨年度の4.4%から64.1%へ急増、1999年度調査(2000年卒)の58.0%を上回り過去最高の割合となった。逆に、「売り手市場だった」とする企業は同61.0%から2.8%に急落した。ちなみに、「売り手市場」とする割合の最高は2006年度調査(2007年卒)の88.6%だった。

 今年度の採用選考にあたって重視した点を25項目から5つ回答する設問では、「コミュニケーション能力」が7年連続で第1位となり、選択した企業割合は81.6%と昨年度より5ポイント上昇。以下、「主体性」(60.6%)、「協調性」(50.3%)、「チャレンジ精神」(48.4%)、「誠実性」(38.9%)までの上位5項目は例年同様だったが、順位では「主体性」が昨年2位の「協調性」に10.3ポイントの差をつけて逆転した。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/030.html

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