2010年04月14日-2
3月企業倒産1148件、7ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、3月の倒産件数は1148件で、前月比は18.8%の増加となったものの、前年同月比は5.6%の減少となり、2009年9月以降7ヵ月連続で前年同月を下回った。しかし、前年同月比の減少率は、2009年11月の1.0%以来、4ヵ月ぶりに一ケタの減少率となり、減少幅はここにきて縮小している。

 倒産件数は減少したが、要因・背景には、(1)北海道(33件、前年同月比▲21.4%)、東北(45件、同▲22.4%)、中国(35件、同▲27.1%)など地方圏で前年同月比二ケタの大幅減少も、減少率は縮小傾向にあること、(2)消費低迷や競合激化など収益環境が厳しく、小規模企業の倒産が84.6%を占めたこと、(3)建設業が305件に増加、前年同月を4.1%上回り、9ヵ月ぶりの前年同月比増加となったこと、などがある。

 一方、負債総額も2963億8300万円にとどまり、前月比は30.7%、前年同月比も71.5%の大幅減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。これは、(1)負債額トップが、婦人・子供服卸のU.F.O(株)(大阪府)の360億円にとどまったこと、(2)負債100億円以上の大型倒産は4件にとどまり、(株)アゼルなどの不動産関連の大型倒産が多発した前年同月の15件を大きく下回ったこと、などが要因・背景にある。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は551件発生し、構成比は48.0%で前月の47.9%を上回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以後の最高を2ヶ月連続で更新。一方、負債100億円以上の大型倒産は11ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が611件発生、構成比は53.2%で、こちらも前月2月の51.1%を上回り集計基準変更後で最高となった。

 また、小規模企業は971件と構成比84.6%を占めるなど、小規模倒産は依然高水準で推移している。なお、負債額別にみた倒産状況の要因・背景には、(1)負債5000万円未満の倒産、小売業(構成比62.4%)、サービス業(同59.7%)の倒産が高水準なこと、(2)大企業向けの金融支援策の政策効果もあり、集計基準変更後で初めて大企業の倒産が発生しなかったこと、などがある。

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