2010年04月08日-4
納税猶予を申請・検討している企業は約1割~東商

 東京商工会議所が会員中小企業を対象に2月から3月にかけて実施した「中小企業金融円滑化法の活用に関する調査」結果(有効回答数2055社)によると、昨年12月4日の中小企業金融円滑化法施行以後、返済猶予を「すでに申請した」企業は3.7%、「申請を検討している」企業は7.2%と、合わせて約1割となった。一方で「申請を検討していない」企業は66.7%、「現在は借入れがない」企業は16.4%となっている。

 返済猶予を申請・検討していると回答した企業が感じる同法施行前と比べた金融機関の対応については、32.4%が「改善した」と回答する一方で、「悪化した」は11.1%、「特に変化はない」が47.6%となった。同法の周知については「金融機関側から直接連絡があった」(製造業)、窓口の相談についても「返済計画の見直しにも積極的に相談にのってもらえた」(サービス業)など、金融機関側の積極的な対応を評価する回答が多い。

 借入れがある企業で返済猶予の申請を検討していない理由(複数回答)は、「借入の返済に特段支障はない」が59.2%で最多、次いで「今後の借入への悪影響を懸念」(30.0%)、「経営の抜本的な改善にはつながらない」(24.4%)と続く。「取引先への悪影響(信用不安)を懸念」(2.3%)はほとんどなかった。自由回答では、「返済先延ばしによる将来的な負担増を懸念」(サービス業)、「施行以前に対応済み」(小売業)などの意見があった。

 今後の資金繰り支援に望むこと(複数回答)では、「政府系金融機関の拡充」(43.2%)と「緊急保証制度の継続・拡充」(42.4%)がそれぞれ約4割で、「金融円滑化法の継続・拡充」(20.2%)は約2割にとどまった。同法の内容に関しては、「条件変更後の新規融資(つなぎ融資)にも対応して欲しい」(製造業)、「審査のスピード化、書類の簡素化」(サービス業)、「売上や利益よりも返済実績を評価して欲しい」(製造業)などの要望があった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/2010/220402.pdf

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