2010年04月05日-2
夏季賞与は前年比+2.6%と4年ぶりに増加の予想

 厚生労働省が3月31日に発表した2009年年末賞与の結果によると、09年度年末賞与の一人当たり支給額は38.0万円、前年比▲9.3%となった。08年秋以降の急速な景気後退の影響が残存することで、冬のボーナスは09年夏季賞与同様大幅な減少となった。一方、第一生命経済研究所が同日発表した10年夏季賞与予測では、10年夏季賞与は前年比+2.6%と、夏季賞与では06年以来4年ぶりの増加を予想している。

 同予測によると、10年夏季賞与を展望して、企業収益の持ち直しなどを背景に小幅プラスを予想。09年4~6月期以降の景気回復に伴って、企業収益が持ち直していることなどが主な理由。10年夏季賞与の民間企業一人当たり支給額は、前年比+2.6%(支給額37.3万円)と予想した。支給従業員数についても同+1.2%と小幅増加を予想し、民間企業の10年夏季賞与支給総額は同+3.8%の13.6兆円となるとの見通しを示している。

 また、公務員一人当たりの支給額は、前年比▲0.3%の55.9万円と予想。09年8月の人事勧告によれば、月例給は同▲0.22%の引下げとなっており、10年夏季期末・勤勉手当の支給月数が前年と同じ1.95か月分となったことを反映すると、小幅な減少を見込んでいる。支給対象者数も、財政再建の観点から公務員数の削減圧力は依然強く、前年比▲2.1%と減少が続くと予想している。

 ボーナスが小幅ながら回復することなどもあり、先行き家計の所得は持ち直していくと予想。加えて4月からの各種家計支援策の開始なども、個人消費の支援材料となるとみる。もっとも、雇用・所得環境の回復ペースが緩慢なものにとどまると予想され、足元で個人消費を支えるエコポイント制度やエコカー減税などの経済対策効果も薄れてくると思われることなどから、先行きの個人消費に大きな期待は抱きがたいとしている。

 同賞与予測の全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et09_377.pdf

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