2010年03月29日-2
会社を選ぶ視点「会社の安定性」が2年連続トップ

 明治安田生命が今春就職を予定している新卒男女を対象に実施した「新入社員アンケート調査」結果(有効回答数1030人)によると、就職活動を振り返り、「満足」(28.5%)、「ほぼ満足」(40.7%)との回答は、2年連続で減少し、過去3年間の調査で最低の69.2%となった。また、「(ほぼ)満足」との回答のうち、30%の人が「就職できただけでも良かった」と答え、このことからも、非常に厳しい就職活動だったことがうかがえる。

 最近の就職活動は“就職氷河期の再来”ともいわれているが、今年の新入社員の内定社数平均は、昨年までの2社台を割り込み、過去3年間でもっとも低い「1.73社」(昨年2.05社)となった。「1社」との回答は、昨年の調査から12ポイント以上も増加し、59.8%と約6割にのぼる。一方で「2~3社」は33.7%(昨年42.1%)、「4~5社」は5.5%(同8.6%)など、複数社から内定を得た人が大幅に減少している。

 就職先を選んだ理由(複数回答)は、不透明な経済環境の影響からか、「会社の安定性」が43.0%で2年連続トップ、2位が「仕事のやりがい」(37.2%)。昨年から「会社の安定性」が「仕事のやりがい」を逆転してトップとなったが、今年はその差がさらに開いており、新入社員の安定志向がますます強まっている。また、厳しい就職活動の影響か、「他の内定先がなかったので」(11.2%)が昨年と比べ4ポイント以上高くなっている。

 会社への帰属意識については、「一生同じ会社に勤めようと思う」が2年連続で増加し、今年の調査で51.9%と、ついに50%を超えた。経済不況による雇用環境の悪化等により、再就職がしにくい現状を踏まえ、できるだけ同じ会社で長く勤めたいという人が増えているようだ。また、仕事をするうえでの新入社員のタイプについては、「職場の人間関係に重きを置き、自分の考えも修正する平和主義タイプ」が54.9%でトップとなった。

 将来目指す役職は、トップが「役職には興味がない」(46.7%)で、昨年より6ポイント以上増加。その理由(複数回答)は、「プライベートと仕事を両立できそう」(41.6%)がトップだった。男性の将来目指す役職は、昨年の「役員クラス」から、今年は「役職には興味がない」(27.9%)がトップとなった。職場内で良好な人間関係を保ちながら、長く勤めたいという気持ちが強く、自分の出世のことは二の次になるのだろうか。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.meijiyasuda.co.jp/profile/release/2009/pdf/20100325.pdf

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