2010年03月29日-1
今年の新入社員のタイプは「ETC型」と命名

 社会経済生産性本部は26日、今年4月の新卒入社者のタイプを「ETC型」と命名したと発表した。2010年度の新入社員は、性急に関係を築こうとすると直前まで心の「バー」が開かないので、スピードの出し過ぎには用心する必要がある。IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配。理解していけば、スマートさなど良い点も段々見えてくる。“ゆとり”ある心を持って、上手に接したいものとしている。

 厳しい就職戦線をくぐり抜けてきた今年の新入社員は、携帯電話などIT活用にも長けており、情報交換も積極的だ。時間の使い方も効率的で、物事をスムーズに進めるようなスマートさもある。また、CO2の排出量削減など環境問題への関心も高い。ただ、ドライバーと徴収員との対話がなくなったように、効率性を重視するあまり、人との直接的なコミュニケーションが不足する場面もあると懸念している。

 打ち解けて心を開くまで時間がかかるため、上司や先輩はスピードの出し過ぎには用心する必要がある。会社は、ゆとりを持って接し、長く活躍できるよううまく育てて欲しいとアドバイスしている。今年の就職環境は、世界金融危機以降の先行き不透明感から採用に慎重な企業が目立った。特に学生に人気の業種で採用を減らす企業が多く、就職活動に難航した学生が多かったようだ。

 なお、昨年度の新卒入社者のタイプは「エコバッグ型」と命名されていた。新入社員は、採用面接の際に環境保護(エコロジー)や社会貢献、コンプライアンスといった問題について関心を持っていると話す学生が多く、しかも彼らは、節約志向(エコノミー)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。小さくたためて便利だが、使うときは大きく広げる(育成する)必要があるとしていた。果たして合っていたのだろうか。

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