2010年03月25日-2
企業における能力開発の取組みがやや低下~厚労省

 厚生労働省が23日に発表した「2009年度能力開発基本調査」結果(有効回答数3204企業、4463事業所、8075人)によると、2008年度1年間の正社員に対する教育訓練の取組みは、OFF-JT実施率が前年度の77.0%から68.5%へ、計画的OJT実施率が同59.6%から57.2%へ、自己啓発支援が同79.6%から66.5%へとそれぞれ低下した。また、OFF-JTや自己啓発支援に支出した費用の労働者1人あたりの平均額も減少した。

 正社員に対する教育訓練方針については、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業が前年度に比べ9.1ポイント増の49.5%と半数に近づき、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」を重視する企業が8.9ポイント減少の50.6%となった。また、正社員に対する教育訓練法は、「OJT」を重視する企業は同3.6ポイント減の70.8%、「OFF-JT」を重視する企業は同3.6ポイント増の29.2%と3割に近づいた。

 2008年度に自己啓発を行った者の割合は、正社員では42.1%(前年度58.1%)、正社員以外では20.0%(同37.3%)と、ともに昨年度に比べ大きく低下している。自己啓発における問題(複数回答)は、正社員、正社員以外ともに「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」(55.8%、36.5%)、「費用がかかりすぎる」(37.7%、35.7%)の割合が高い。正社員以外では、「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」(31.8%)を挙げる者が多い。

 労働者が希望している職業人生の実現に向けた職業能力開発の方法をみると、正社員では、「自発的な能力向上のための取組みを行うことが必要」(47.2%)が次位の「通常の業務をこなしていくことで必要な能力が身につく」(19.7%)を大きく引き離してトップ。一方、正社員以外でも「自発的な能力向上のための取組み」(26.7%)がトップだが、全体に占める割合が低い分、他の項目を挙げる割合が正社員に比べて多くなっている。

 主な調査結果は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000525e-att/2r98520000005275.pdf

ウィンドウを閉じる