2010年03月15日-4
09年飲食業の倒産件数、平成最多の789件

 東京商工リサーチが9日に発表した2009年飲食業の倒産状況によると、昨年1年間の飲食業倒産は、前年比6.7%増の789件で8年連続前年を上回った。倒産件数が前年水準を下回る業種が多いなかで、年次ベースでは前年の739件を上回り平成最多となった。対して負債総額は、同32.3%減の614億1700万円で、3年ぶりに前年を下回った。これは、負債1億円未満の小規模企業が同6.4%増の672件に増加したことによる。

 給与・賞与の減少で個人消費が低迷するなか、デフレの進展も相まって業者間の価格競争が激しさを増している。さらに最近は、外出を極力抑えて自宅で過ごす“自宅派”、いわゆる「イエナカ消費」や「巣ごもり消費」の増加という消費動向の変化、節約志向も見逃せない。このような飲食業の倒産増加は、デフレ経済の進展が背景にあることから、当面は増勢に歯止めがかからない状況にあるとみられている。

 飲食業倒産789件を原因別にみると、「販売不振」が前年比11.7%増の588件と、全体の74.5%を占めた。次に「事業上の失敗」が73件、「既往のシワ寄せ」が58件など。資本金別では、「500万円未満」が同10.1%増の577件となり、「5千万円以上1億円未満」が同23.5%増の21件だった。形態別では、企業の解体・消滅である「破産」が同8.5%増の637件で最多、次いで「民事再生法」が同131.2%増の74件と倍増した。

 従業員数別では、「5人未満」が前年比7.0%増の670件となった。また年商別でも、「1億円未満」が同7.1%増の693件と約9割を占めるなど、従業員数や年商で零細規模の倒産がほとんどだった。なお、飲食業倒産をさらに細分類すると、「食堂・レストラン、専門料理店が同4.3%増の358件、お好み焼きやなどを含む「その他の飲食店」が同50.0%増の108件、居酒屋を含む「酒場、ビアホール」が同6.6%増の96件などだった。

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