2010年03月15日-2
09年知的財産侵害物品の輸入差止は2万1893件

 財務省が12日に発表した2009年の知的財産侵害物品の差止状況によると、昨年1年間の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は2万1893件となり、前年と比較して17.1%減少し、2000年以来9年ぶりに前年比減少となったこと分かった。差止件数の減少は、中国や韓国からの偽ブランドバッグなどを大量輸入する事例が大幅に減少したことが大きな要因とみられている。

 ただし、税関が差し止めた知的財産侵害物品の数(「差止点数」)は、「煙草及び喫煙用具」、「身辺細貨類」(いずれも商標権侵害)及び「CD、レコード類」(著作権侵害)の大幅増加により、約104万点と前年に比べ10.6%増加し、2年ぶりに100万点を超えた。ヒット商品に便乗したエクササイズ用DVDや電気製品、身の回りの物を装飾するロゴ付きのプラスチックパーツ(デコ・パーツ)が大量に差し止められている。

 輸入差止件数は、中国からの輸出が1万8893件と、過去最高だった前年(2万1529件)から12.2%減少したものの、全体の構成比では同4.8ポイント増の86.3%を占めた。次いで韓国からの輸出が1480件(構成比6.8%、前年比55.0%減)と前年から半減、減少傾向が一段と鮮明になり、もっとも差止件数が多かった2006年(8720件)と比較すると6分の1に減少。輸入元は、中国が2位の韓国を大きく引き離し、一極化が進んでいる。

 品目別にみると、偽ブランド品の差止実績は依然として高水準にあるものの、対前年比では、バッグ類が件数で22.8%減、点数で48.8%減、キーケース類が同19.1%減、77.1%減、時計類が同25.0%減、72.9%減と、大幅に減少。一方で、エクササイズ用DVDなどの「CD、レコード類」が件数で3倍、点数で2倍、「電気製品」が同61倍、621倍、デコ・パーツなどの「身辺細貨類」が同0.9%減、3倍と、いずれも大幅に増加した。

 また、「煙草及び喫煙用具」の差止件数は対前年比44.3%減となったものの、商標権を侵害するたばこが、郵便により大量に輸入されたため、差止点数では同2.6倍と大幅に増加している。なお、輸送形態別輸入差止実績をみると、郵便物が占める比率は、件数ベースでは96.7%で前年とほぼ同水準だったが、点数ベースでは63.4%と、前々年の30.8%、前年の52.7%からさらに高くなり、件数、点数とも郵便物が主になってきている。

 同差止状況の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/chizai/ka220312b.htm

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