2010年03月15日-1
09年の日本の広告費は11.5%減で過去最大の減少率

 電通がこのほど発表した「日本の広告費」によると、2009年に日本国内で使われた総広告費は5兆9222億円と推定され、2008年に比べて11.5%減となった。これは、日本の広告費推定を開始した1947年以来、最大の減少率。広告費全体の半分近くを占めるマス四媒体の広告費は、「新聞」6739億円(前年比18.6%減)、「雑誌」3034億円(同25.6%減)、「ラジオ」1370億円(同11.6%減)、「テレビ」1兆7139億円(同10.2%減)となった。

 また、「インターネット広告」は7069億円(前年比1.2%増)で、テレビに続く規模になった。景気後退の影響で微増だったものの、ネット広告のうち、「モバイル広告」(同12.9%増)、「PC検索連動広告」(同8.6%増)などが順調に伸びている。広告主のインターネット広告に対する評価が定着・浸透するとともに、ソーシャルメディアの普及やスマートフォンなど新サービスや端末の登場により、広告手法の多様化が進み成長を続けている。

 マス四媒体の業種別広告費(21分類)をみると、08年を上回ったのは、衆院選が寄与した「官公庁・団体」のみ。一方、減少額の大きかった業種は、「金融・保険(生命保険、消費者金融など)」(前年比28.9%減)、「自動車・関連用品」(同29.9%減)、「情報・通信(携帯電話・パソコンなど)」(同25.8%減)など。広告費上位は、「食品」、「化粧品・トイレタリー」、「交通・レジャー」で、「金融・保険」、「自動車・間連用品」の順位が下がった。

 ここ数年の広告費は、04年から07年までは増加を続けていたが、08年のリーマン・ショックに続く世界規模での景気低迷や企業業績悪化の影響で、09年は08年に続き減少した。09年は、地デジキャンペーン、衆議院選挙、エコカー減税、エコポイントなど広告にはプラス材料があったが、景気低迷の影響を払拭するには至らなかった。ただ、年の後半をみると、企業の経営状況が良くなるに従い、広告費もやや回復の動きがみられた。

 この件の詳細は↓
 http://www.dentsu.co.jp/marketing/adex/index.html

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