2010年03月11日-4
2月企業倒産966件、6ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2月の倒産件数は966件で、前月比は1.8%の増加となったものの、前年同月比は14.6%の減少となり、2009年9月以降6ヵ月連続で前年同月を下回り、2ヵ月連続の1000件割れとなった。年度ベースでも2009年4月~2010年2月の合計は1万1718件と、前年同期の1万2018件を300件下回っている。

 倒産件数が減少した要因・背景には、(1)需要急減の影響で前年同月に多発した製造業(前年同月比▲18.1%)、卸売業(同▲37.1%)の反動減が目立ったこと、(2)北海道(同▲34.1%)、北陸(同▲43.6%)、四国(同▲45.5%)の3地域が30%を超える大幅減少、東北、中国の2地域は12ヵ月連続の前年割れとなるなど、中部(同0.7%増)を除き9地域中8地域で前年同月比減少となったこと、などがある。

 一方、負債総額は4275億9600万円にとどまり、前月比は83.5%、前年同月比も64.3%の大幅減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。これは、(1)PHS事業大手のウィルコム(東京都、負債2060億円)が、全体の48.2%を占めたこと、(2)負債100億円以上の大型倒産は3件にとどまり、新興マンション分譲業者、中堅メーカーなどの大型倒産が多発した前年同月の14件を大きく下回ったこと、などが要因・背景にある。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は463件発生し、構成比は47.9%で2006年12月の47.5%を上回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以後で最高を記録。一方、負債100億円以上の大型倒産は10ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が494件発生、構成比は51.1%で、こちらも2009年10月の50.6%を上回り集計基準変更後で最高となった。

 また、小規模企業は819件と構成比84.8%を占めるなど、小規模倒産は依然高水準で推移している。この要因・背景には、(1)負債5000万円未満の倒産は、小売業(構成比59.4%)、サービス業(同53.4%)で目立つこと、(2)金融支援策などの政策効果もあり、上記のように負債100億円以上の大型倒産が10ヵ月連続で一ケタ台となっていること、などがある。

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