2010年03月11日-1
トランス脂肪酸の表示指針を今夏目途に策定

 消費庁は9日、食品業者などが情報開示を行う際の指針となる「トランス脂肪酸の情報開示に関するガイドライン」(仮称)の策定を検討し、今夏を目途に取りまとめることを明らかにした。トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング(味付けのないマーガリン)などに含まれ、多量摂取すると心臓疾患のリスクを高めるといわれ、2003年以降、トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が増えている。

 WHO/FAO合同専門家会合の報告書(2003年)では、「1日あたりの総エネルギー摂取量の1%未満とする」という目標が示されている。一方、日本人の1日あたりの摂取量は、食品安全委員会の調査結果によると、総エネルギー摂取量の1%未満となっている。ただし、脂質の多い菓子類や食品の食べすぎなどの偏った食事をしている場合では、平均値を大きく上回る摂取量となる可能性があるとされている。

 こうしたことから、多くの事業者が、トランス脂肪酸の含有量を低減する取組みを進めており、自社ホームページ等を通じて、その情報開示に努めている事例もある。一方で、(1)トランス脂肪酸の定義や分析法等の表示ルールが定まっていない、(2)同じく心血管系疾患等のリスクを高める飽和脂肪酸やコレステロールと一体的に捉える必要があるといった問題意識から、積極的な表示に踏み切れないでいる事業者も多いとみられている。

 そこで、ガイドラインでは、(1)情報開示の対象とするトランス脂肪酸の定義(天然食品にも含まれるトランス脂肪酸の取扱い)、(2)トランス脂肪酸の測定に係る公定法、(3)トランス脂肪酸の含有量を示す際の誤差の許容範囲(誤差を認める場合の上限値・下限値、ゼロ表示を認める場合の上限値)、(4)飽和脂肪酸、コレステロールに係る(1)~(3)の事項、について具体的に検討し、明確化する方針だ。

 この件に関する詳細は↓
 http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin210.pdf

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