2010年03月08日-4
労働委員会で扱った09年の調整事件が平成で最多

 厚生労働省の外局である中央労働委員会事務局はこのほど、全国の労働委員会が扱った2009年の調整事件について、労働組合と使用者の間の集団的労使紛争の取扱(あっ旋等)件数は前年(552件)より33%増の733件と平成以降で最多、また、個々の労働者と使用者の間の個別労働関係紛争のあっ旋取扱件数も同(445件)20%増の534件と制度発足(2001年)以降もっとも多い件数を記録したと発表した。

 集団的労使紛争のあっ旋等事件の内容は、「解雇」が191件、前年比45%増、「賃金」が346件、同38%増と大幅に増加しており、一昨年秋のリーマン・ショックによる景気後退の加速、雇用情勢の深刻化の影響を受けたものとみられている。また、「合同労組」が関係する事件が487件、同30%増で、特にこれらのうち「駆込み訴え事件」が269件、同49%増となっており、個々の労働者に係る紛争を背景にした事件が増加している。

 ちなみに、「合同労組」とは、地域単位で企業の枠を越えて労働者を組織する労働組合をいい、主に中小企業の労働者が個人加盟しているのが特徴。具体的には、「合同労組」、「一般労組」、「地域ユニオン」などと呼ばれているものである。また、「駆込み訴え事件」とは、労働者が解雇等された後に合同労組に加入し、その組合がその解雇等についてあっ旋の申請等を行う事件を指す。

 一方、東京、兵庫、福岡を除く44の道府県労働委員会では、個別労働関係紛争のあっ旋を行っているが、上記のように、2009年のあっ旋件数は534件と、制度発足以来もっとも多くなった。その主な内容については、「年次有給休暇」(主に残余日数の買上げ)が40件(前年比50%増)、「整理解雇」が78件(同100%増)、「賃金未払い」が114件(同41%増)と増加率が高くなっている。

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