2010年03月08日-2
正社員採用、5割弱の企業が2年連続「予定なし」

 帝国データバンクが2月後半に実施した「2010年度の雇用動向に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万624社)によると、2010年度の正社員(新卒・中途入社)の採用状況は、「予定なし」とする企業が47.5%と、前年(45.9%)に引き続き5割弱を占めた。「増加する(見込み含む)」とする企業は14.3%と1割強にとどまった。ただし、2009年度見込みの11.2%と比べると3.1ポイント増加している。

 「採用予定はない」とする企業を業界別にみると、「不動産」(62.0%)や「卸売」(55.7%)などが5割を超えた。特に「不動産」は10業種中4年連続でもっとも高くなっており(「その他」を除く)、正社員採用の厳しさが際立っている。反対に低いのは、「農・林・水産」(28.2%)、「金融」(33.1%)などだった。また、地域別にみると、「北海道」(56.4%)と「東北」(51.1%)の2地域が唯一5割を超えた。

 リーマン・ショック後の景気後退を背景とした雇用調整の実施状況については、22.1%の企業が「すでに実施した」と回答。「現在実施している」は14.7%と、3割以上の企業が現在までに何らかの雇用調整を実施していた。さらに、「現在は実施していないが、今後検討する」が12.2%となっており、今後も雇用調整を実施する企業が拡大することが懸念される。一方、「実施する予定はない」は43.9%となっている。

 雇用調整の方法(複数回答)は、「中途採用の削減・中止」が36.7%でもっとも多く、次いで「新卒者採用の削減・中止」(35.7%)、時間外労働時間の削減など「残業規制」(33.3%)などが続き、雇用調整の方法としての新規採用や労働時間の抑制を図る企業が3社に1社となった。さらに、「非正社員の再契約中止・更新拒否・雇い止め」(27.0%)や「正社員の解雇」(18.8%)といった人員削減の項目が挙げられている。

 なお、派遣社員やパート・アルバイトなど非正社員の2010年度の採用状況については、「増加する(見込み含む)」とする企業は6.2%に過ぎない。一方、「採用予定はない」は57.0%と2年連続で6割近くにのぼり、非正社員の採用状況は依然として厳しい。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w1002.pdf

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