2010年03月04日-3
1月の完全失業率は4.9%と10ヵ月ぶりの4%台に

 総務省がこのほど公表した労働力調査(2010年1月分速報)によると、1月の完全失業率は前月から0.3ポイント低下し4.9%になった。失業率は、2009年4月以降5%台で推移していたが、10ヵ月ぶりに4%台まで低下した。これは、1月分にさかのぼり失業率の季節調整替えが実施されたことも影響している。このため、過去最悪の2009年7月の5.7%が5.6%へ下方修正されている(過去最悪であることは変わらない)。

 就業者数は前年同月比79万人減の6213万人で、24ヵ月連続の減少。一方、就業率は同0.8ポイント減の56.2%。15~64歳の就業率は69.6%で、同0.6ポイント低下している。雇用者数は5447万人と▲0.6%、31万人減少し、12月の▲1.2%から減少幅が大きく縮小している。完全失業者数は323万人。前年同月比46万人増えたが、ピーク時(2009年7月)の103万人増に比べ増加幅が縮小している。

 雇用者数を産業別にみると、製造業が前年同月比で61万人減少し、これは12ヵ月連続。鉱工業生産が2009年春以降急回復を続けているが、生産の水準が依然としてピーク時の8割程度に止まり、製造業の雇用回復ペースを緩慢なものにしている。一方、医療・福祉が同33万人増と引き続き雇用の下支えとなっているほか、卸売・小売業が3万人増と6ヵ月ぶりに増加に転じた。職業紹介・労働者派遣業は2万人減で15ヵ月連続の減。

 完全失業者の動向をみると、完全失業者は323万人で前年同月比16.6%、46万人増と15ヵ月連続の増加。男性が33万人増加、女性が13万人増加。完全失業率は4.9%だが、男性は5.2%(0.1ポイント低下)、女性は4.6%(0.5ポイント低下)だった。求職理由では、「勤め先都合」が103万人と、21万人の増、「自己都合」は100万人で3万人の増。うち世帯主が82万人、16万人増で、22ヵ月連続の増加となっている。

 同労働力調査結果の詳細は↓
 http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf

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