2010年03月03日-2
上場企業の2010年度の経済成長率の見通しは0.4%

 内閣府経済社会総合研究所が上場企業を対象に1月15日時点で実施した「企業行動に関するアンケート調査」結果(有効回答数1032社)によると、上場企業は、2010年度の実質経済成長率について、2010年度は0.4%を見込んでおり、2年ぶりにプラスに転じた。今後3年間(2010~2012年度)は1.0%、今後5年間は1.3%と、いずれも前年度調査の水準を上回るものの、2003~2007年度調査よりも低い水準となった。

 業界需要の実質成長率見通しについては、2010年度は▲0.5%と前年度調査に引き続きマイナス成長を見込んでいるが、今後3年間は0.5%、今後5年間は0.8%と緩やかに成長率が高まっている。産業別にみると、製造業では2010年度は0.1%、今後3年間は1.1%、今後5年間は1.2%、非製造業では、2010年度は▲1.2%、今後3年間は▲0.1%、今後5年間は0.4%と、いずれも製造業に比べて非製造業は低い成長を見込んでいる。

 企業の1年後の予想円レートについては、全産業平均(階級値平均)でみると95.9円/ドルと調査直前月の円レート(2009年12月の89.6円/ドル)に比べ円安を予想しているが、1986年度の調査開始以来もっとも円高の予想となった。また、輸出企業の採算円レートは92.9円/ドルと、前年度調査(97.3円/ドル)から上昇(円高方向へ変化)している。採算円ルートを産業別にみると、製造業93.2円、非製造業90.8円となっている。

 今後3年間の設備投資の年度平均伸び率見通しは、全産業平均で1.4%となり、プラスに転じたものの、需要成長率見通しが高くないことなどから、2002年度調査から2007年度調査の水準と比べると低い伸びにとどまった。設備投資の目的(複数回答)をみると、過去3年間ではもっとも高い割合だった「生産(販売)能力の拡大」が、今後3年間では大きく減少し、代わって「維持更新」がもっとも多くなっている。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/ank/h21ank/h21ank_houkoku.pdf

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