2010年03月01日-3
2008年度の航空会社21社は過半数が最終赤字

 日本航空(JAL)が会社更生法の適用を申請して注目が集まる航空業界だが、帝国データバンクが全国の航空会社21社を対象に実施した「航空会社の経営実態調査」では、2008年度の各社の収益性は、過半数が最終赤字であることが明らかになった。同調査は、2008年度(2008年4月~2009年3月)から過去3年度分の財務諸表(単体ベース)をもとに、経営状況を分析したもの。

 調査結果によると、収入高の推移が可能な20社では、2007年度での前年度比増収が13社だったのに対し、2008年度はJALとANAの大手2社がそろって減収に転じるなど、増収・減収がそれぞれ10社ずつと拮抗した。2008年度は、リーマン・ショック後の消費不振やインフルエンザの流行などから、国内線・国際線ともに需要が大幅に減少。景気に左右されやすい航空業界の市場特性が鮮明に表れた。

 収益性については、2008年度は21社のうち52.4%にあたる11社が当期純損失を計上し、過半数が最終赤字となった。このうち、天草エアラインとジェイエアの2社が当期純利益率で二ケタの大幅赤字を記録した上、JALや北海道エアシステムなど5社が3期連続赤字を余儀なくされた。また、営業利益率では、2008年度の数値が判明した17社のうち47.1%にあたる8社が赤字を計上している。

 また、自己資本比率をみると、2008年度は、北海道を拠点とする北海道エアシステム(50.42%)と北海道国際航空(50.29%)の2社が50%超となった。ただし、北海道エアシステムは前述の通り連続欠損で繰越損失を抱え、北海道国際航空は民事再生法による再建(2002年6月申請→2005年3月終結)を経ているなど、単純な比較評価は難しい面がある。一方、債務超過は2社にとどまっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100206.pdf

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