2010年03月01日-2
経産省、新たな戦略「産業構造ビジョン」を検討

 経済産業省は、2009年12月に提示された成長戦略基本方針を踏まえ、日本産業の今後のあり方をしめす新たな「産業構造ビジョン(仮称)」を策定するために、同省産業構造審議会に産業競争力部会を設置、2月25日に「日本の産業を巡る現状と課題」をテーマに第1回会合を開いた。今日の日本の産業の行き詰まりや深刻さを踏まえ、今後、「日本は、何で稼ぎ、雇用していくのか」を模索する。

 バブル崩壊後、日本の産業は、安定した世界市場の成長に伴い、自動車、電子機器など日本の技術力を結集した高付加価値商品により、欧米市場を中心に需要を獲得してきた。しかし、世界金融危機の影響により、従来の商品改良・生産性向上を中心としたビジネスモデルが行き詰まり「今後日本は何で稼ぎ、食べていくのか」という課題に答えられず、明確な将来ビジョンを描くことができない現状がある。

 また、少子高齢化の進展、環境・資源エネルギー制約の顕在化、新興国の追い上げなど、グローバル経済における競争条件の変化と日本国内の産業を取り巻く環境変化により、日本全体が大きな転換点を迎えようとしている。このような状況などを踏まえ、新たな戦略「産業構造ビジョン(仮称)」の検討のため、産業競争力部会が設置されることとなった。月1~2回のペースで審議を行い、5月を目途にビジョンをとりまとめる予定。

 主な検討事項として、(1)なぜ、技術で勝って、事業や利益で負けるのか、(2)設計・開発・生産現場は国内で維持できるか、(3)成長新興国市場のインフラ需要・ボリュームゾーンに対応できるか、(4)環境ニーズをビジネスに活かせるか、(5)医療・介護・健康・子育てのニーズをビジネスに活かせるか、(6)地域に産業発展モデルはあるのか、(7)新たな成長産業(戦略分野)の提示、(8)これからの産業政策の方向、などが掲げられている。

 この件の詳細は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20100223001/20100223001.pdf

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