2010年03月01日-1
四半期地価調査で池袋駅東口のみ上昇

 国土交通省は四半期に1度、全国主要都市の計150地区を対象に地価動向調査(地価LOOKレポート)を実施しているが、2010年1月1日時点で、東京都豊島区の池袋駅東口1地区のみが前回調査時(2009年10月1日)から上昇した。大型家電量販店の出店による客足増加を反映して、昨年秋口から地価動向が上昇している。その他の地域では、5地区で横ばい、144地区で下落と、下落傾向が続いている。

 全体をみると、変動率区分がプラス方向(下落幅が縮小または上昇へ転じる)へ移行した地区が26地区、マイナス方向(下落幅が拡大する)へ移行した地区は8地区。上昇した池袋駅東口は6期ぶりの上昇地区出現で、横ばい地区が前回の3地区から5地区に増えた。下落地区の中では、3%(年率換算で11.5%)未満の下落にとどまった地区が前回の81地区から88地区に増え、3%以上下落した地区は66地区から56地区に減っている。

 三大都市圏では、全118地区のうち113地区で下落。変動率区分がプラス方向へ移行した地区は21地区、マイナス方向へ移行したのは5地区だった。下落地区の中では、3%未満の下落に止まったのが前回の61地区から63地区に拡大、3%以上下落地区が56地区から50地区に減っている。一方、地方圏では、全32地区のうち31地区で下落。変動率区分がプラス方向は5地区、マイナス方向は3地区だった。

 調査結果を総合すると、主要都市の高度利用地の地価は、景気の低迷を反映した低調な土地需要、オフィスビル等における空室率の上昇、賃料の下落による収益力の低下等を背景に、依然として下落基調が続いているが、景気の持ち直しへの期待、在庫・価格調整の進展等から、引き続き下落幅の縮小傾向がみられた。東京圏では、駅近接の商業店舗の活況等による繁華性の向上、マンション用地需要の顕在化によるものと分析している。

 調査結果の詳細は↓
 http://tochi.mlit.go.jp/tocchi/look_rep/pdf/20100224a.pdf

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