2010年02月24日-1
高齢者の消費を活性化できるか~内閣府

 内閣府はこのほど、高齢者の消費動向について分析したレポート「高齢者の消費を活性化できるか」をHPで公表した。今後、退職を迎える雇用者の就業率を再雇用や就業形態の柔軟化によって引き上げることで耐久財・外食・教育・衣料品といった「選択的消費」に対する支出の拡大が見込まれるとしている。これは、世帯数の約5割を占める60歳以上の高齢者世帯数がさらに増加し、マクロの消費を下支えする、からだ。

 世帯数が拡大を続けている高齢者の消費をさらに活性化させることは、マクロの消費を活性化することに貢献する。その方法として、高齢者の就業率を高めることが考えられる。内閣府調査によると、就業している高齢者の9割近くが「今後も収入の伴う仕事を続けたい」との回答しているが、無職の高齢者への同様の質問では、その割合は1割にとどまり、労働市場から退出した高齢者は再び算入することが困難となっている。

 これは、退出をした高齢者の中には雇用のミスマッチ解消により就労する可能性がある人がいることを示している。就業する高齢者が増えると、高齢者世帯の平均的な消費パターンが変化する。勤労世帯と無職世帯の品目別支出ウェイトを比較すると、勤労世帯は電熱光費や医療費といった「基礎的消費」のウェイとが無職世帯より低い一方で、耐久財・外食・教育・衣料品といった「選択的消費」のウェイトが高い。

 このため、高齢者の就業率を高めることは、こうした選択的支出の拡大を通じた消費活性化が期待できる。60歳以上の世帯に占める無職世帯は3分の2を占めており、勤労者世帯の月平均消費支出が約28万円であるのに対して無職世帯は約21万円であり、今後、退職を迎える雇用者の再雇用、もしくは高齢者の就業形態の柔軟化等を進めていくことが、消費活性化につながると結論付けている。

 同レポートの詳細は↓
 http://www5.cao.go.jp/keizai3/shihyo/2010/0215/950.html

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