2010年02月22日-4
上場基準突破企業1462社、前年比22.6%の大幅減

 帝国データバンクが今年1月時点で実施した「上場基準突破企業動向調査」によると、上場基準を突破した全国の未上場企業は1462社となった。2004年以降、5年連続で過去最高を更新し、2008年には1922社に達したが、2009年に6年ぶりにマイナス(前年比1.8%減)に転じ、2010年は前年比22.6%の大幅減少となった。同調査は、全国の未上場企業のなかで東証第2部への上場基準を満たすと想定される企業を抽出・分析したもの。

 業種別では、「製造業」(14業種)が392社(構成比26.8%)で、前年比37.1%減と過去最大のマイナス幅。一方、「非製造業」(8業種)は、1070社(同73.2%)で、前年比15.4%減となった。過去のトレンド推移をみると、上場基準突破企業数がピークを迎えた2008年の前後数年間に増加傾向をみせていた「化学」、「鉄鋼・非鉄金属」、「電気機器」、「機械」、「輸送用機器」、「商業」、「不動産」、「サービス」などの勢いが大きく衰えている。

 売上高別にみると、「100億円以上300億円未満」が501社、構成比34.3%で最多、以下、「300億円以上500億円未満」が250社、同17.1%、「1000億円以上」が234社、同16.0%と続き、“100億円以上500億円未満”に全体の5割強の企業が集中している。また、本社所在地を都道府県別にみると、「東京都」が735社と5割を占めトップ、以下、「大阪府」(176社)、「愛知県」(72社)、「神奈川県」(61社)と続く。

 今回の調査では、経済危機の影響力の大きさを改めて実感させられたが、今回、調査対象とした最新決算期は2008年度に設定されており、サブプライム・ローンの影響については、同決算において半期分(2008年秋~2009年3月)分しか反映されていない。2009年4月以降にリーマン・ショックの影響で業績が大きく悪化している企業も相当数あるとみられ、来年の調査では今回の社数をさらに下回る可能性があると指摘している。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100205.pdf

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