2010年02月22日-1
東京都心部のオフィス賃料2010年をボトムに上昇へ

 ニッセイ基礎研究所が独自に作成しているオフィス賃料指数を基に、東京都心部の大規模オフィスビルの賃料予測(共益費を除く)を行ったところ、東京のオフィス市況は悪化が続いており、都区部空室率は2007年9月の1.7%を底に上昇に転じ、2009年12月には6.5%まで上昇していた。東京都心3区(千代田、中央、港区)のオフィス賃料は、急速かつ大幅に落ち込み、大規模ビルの賃料は2007年第三四半期比▲36%の下落となった。

 規模別賃料を見ると、大規模ビル(基準階面積200坪以上)と大型ビル(同100坪以上)及び中型以下ビル(同100坪未満)との格差が縮小。2007年第4四半期から2009年第4四半期で、大型ビルで8000円から3000円強に、中型以下ビルで1万4000円弱から5000円強に縮小。エリア間格差も縮小し、同期間に都心3区の大規模ビルと品川・豊島・江東区等の大規模ビルとの格差は1万1000円弱から6000円程度に縮小している。

 今後の供給動向として、新規の大規模ビルは2004年~2009年に年平均19万坪の供給があったが、今後3年間(2010年~2012年)に大量供給が計画されており、年平均供給床面積は25万坪に達する。これに対し賃料予測では、2010年第2四半期まで賃料は下落し、同年第4四半期まで底ばいの後、2011年第1四半期より上昇傾向に転じると予測。賃料水準が底となる第3四半期は2007年第4四半期比41%下落するという。

 賃料が底を打った後の、次の賃料のピークは2013年頃と考えられるとし、その上昇率は、標準シナリオで27.0%、楽観シナリオで45.4%、悲観シナリオで6.9%とみている。しかし、景気回復に伴うオフィス需要(オフィスワーカー雇用)の回復が従来ほどには拡大しない場合には、悲観シナリオ(景気回復が遅れるというシナリオ)に近い数値になる可能性もあるとしている。

 この件の詳細は↓
 http://www.nli-research.co.jp/report/misc/2009/fudo100216.pdf

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