2010年02月15日-4
1月企業倒産、JALの倒産で負債総額が大幅増加

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は949件にとどまり、前月比は7.1%の減少、前年同月比も17.9%の減少となり、2009年9月以降5ヵ月連続で前年同月を下回り、4ヵ月ぶりの1000件割れとなった。減少率は、2009年9月の15.7%を上回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以後で最大となった。

 倒産件数が減少した要因・背景には、(1)建設業の倒産(225件)が前年同月比30.8%の大幅減少、7ヵ月連続の前年割れとなり、減少率は2009年9月の26.4%を上回り、集計基準変更後で最大となったこと、(2)地方圏で二ケタの大幅減少となり、東北、中国の2地域は11ヵ月連続の前年割れとなったこと、(3)企業の収益環境は厳しく、「不況型倒産」の構成比は81.9%と8ヵ月連続の80%台だったこと、などがある。

 一方で、負債総額は2兆5879億9000万円に急増し、前月比は763.1%、前年同月比も199.4%の大幅増加となった。集計基準変更後では、リーマン・ブラザーズ証券が倒産した2008年9月の5兆3197億9400万円に次ぐ2番目の高水準となった。これは、日本航空(JAL)など3社が、2001年9月のマイカルを抜き、金融業を除く事業会社では過去最大の負債合計2兆3221億8100万円を抱え、会社更生法を申請したことが要因。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は440件発生し、構成比は46.4%を占めた。一方、日本航空など3社の超大型倒産はあったものの、負債100億円以上の大型倒産は6件と、9ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が457件、構成比は48.2%を占めた。また、小規模企業は788件と構成比83.0%を占めるなど、小規模倒産は依然高水準で推移している。

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