2010年02月08日-2
2010年賃上げ見通しは労使とも1.6%台と予測

 労務行政研究所が毎年発表している「賃上げに関するアンケート調査」によると、2010年の賃上げ見通しは、全回答者平均で5125円・1.64%(定昇分含む)となった。厚生労働省の主要企業ベースにおける09年の賃上げ実績(5630円・1.83%)を額で505円、率で0.2ポイント下回る予測となった。同調査は、1月13日までに回答があった労働者側214人、経営側139人、学識経験者106人の計459人の回答を集計したもの。

 ちなみに、各種調査によると、大手企業の“定期昇給率”は平均でおおむね1.6~1.8%程度とみられる。もちろん定期昇給部分を持たない企業もあるため一様にはいえないが、今回の集計結果から、定昇分相当が労使交渉の争点になるものとみられる。労使別にみると、労働側5177円・1.65%、経営側5234円・1.67%で、労使の差は57円・0.02ポイントとごくわずかにとどまり、労使の見方がほぼ一致していることを示している。

 賃上げ率の分布は、労働側・経営側とも先に触れた平均的な定昇率に近い「1.8~1.9%」がもっとも多く、ほぼ定昇程度との見方がなされている。さらに、以下、「1.6~1.7%」、「1.4~1.5%」と続くことから、厳しい環境下で定昇ラインまでの賃上げも困難であり、定昇を下回るとみる向きも少なくないことがうかがえる。厳しい経済・雇用環境の下、2010年の賃上げ交渉は定昇分相当の確保が争点になるものといえる。

 2010年における定昇については、労働者側の90.2%、経営側の79.9%と、いずれもほとんどが「実施すべき」あるいは「実施予定」としている。経営側で「実施しない(凍結する)予定」との企業は2.9%と少数にとどまる。一方、ベアについては、経営側では「実施しない予定」が79.1%と大半を占め、労働側についても「実施すべきではない」が65.9%と、労使とも共通してベア実施は難しいとの見通しを抱いているようだ。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 https://www.rosei.or.jp/contents/detail/23835

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