2010年02月04日-3
2009年の会社更生法適用は36件と5年ぶり高水準

 帝国データバンクは、2004年1月から2010年1月までに会社更生法を申請した142社を対象に、件数推移、手続きの経過状況を分析し、このうち、同期間中に認可決定を受けた96社を調査、更生計画の内容が判明した93社について、今回の日本航空のケースと対比させながら、手続きに要した期間、一般更生債権の弁済率などの分析を行った。この「会社更生法」に関する調査は2009年7月に次いで4回目。

 それによると、2009年の会社更生法の適用は36件に達し、3年連続で前年を上回り、2004年の39件以来、5年ぶりの高水準となった。上半期に大型倒産が31件と多発、下半期は5件にとどまった。2010年1月の日本航空など3社による会社更生法の申請は、企業再生手法としての更生法に注目が集まっている。2003年4月の同法の全面改正によって、強力かつ使い勝手のいい再建手続きとして、申請企業や弁護士に再評価されている。

 2004年1月以降の申請企業142社のうち、認可決定に至ったものは96社に達し、このうち終結決定が下りたものは71社にのぼった。他方、終結決定前に取下げ・棄却・廃止となった企業は5社にとどまる。また、過去の事例をみると、かつての上場企業が更生法申請から数ヵ月も経たずに、先行き見通し難から破産に移行するケースも散見され、会社更生法が企業を必ず再建に導く“万能ツール”ではないことが分かる。

 一方、過去に会社更生法を申請した上場会社137社(店頭公開含む)のうち、更正手続き終結後に再上場した企業は、集計可能な1962年以降で9社とわずか6.6%にとどまることが判明した。現在では優良な財務と収益力を誇る有名企業が多いが、再上場までの期間をみると、最短のヤオハンジャパンでも約6年9ヵ月かかっており、一筋縄には進まない再建の困難さを表している。

 しかし、上記の認可決定を受けた96社の開始決定から認可決定までの期間は平均11ヵ月と1年を切り、10年前調査の平均2年2ヵ月に比べ大幅に短縮された。更生手続きが終結した71社の認可から集結までは平均8ヵ月と、10年前調査の平均9年11ヵ月に比べ大幅短縮されている。「更生手続きの迅速化」という流れのなかで、今回の日本航空の手続きも異例の早さで進むことが予想される。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100201.pdf

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