2010年02月04日-2
再雇用者の処遇、「成果や能力を反映」が約6割

 日本生産性本部はこのほど、全上場企業の人事労務担当者を対象に2009年10月から11月にかけて実施した「日本的雇用・人事の変容に関する調査」を公表した。調査結果(有効回答数176社)によると、再雇用者の評価・処遇は「成果や能力を反映」とする企業が57.5%と約6割、今後の再雇用の方針については「今後は再雇用者数を抑えたい」が19.0%など、再雇用者の使用実態が明らかになっている。

 再雇用を行っている企業は86.9%に達し、勤務延長が9.1%、定年年齢の引上げを行っている企業は4.5%にとどまる。定年退職者のうちどの程度再雇用されたかを再雇用率(再雇用者÷定年退職者×100)でみると、全体平均は72.0%。業種別では、「製造業」が74.0%、「第三次産業」が70.7%、「建設業」が64.4%。従業員規模別では「1000~2000人未満」が83.9%、次いで「500人未満」が79.9%、「500~1000人未満」が70.6%だった。

 今後の再雇用の方針については、63.4%と6割強は「現行通りでよい」と回答しているが、「今後は再雇用者を抑えたい」が19.0%と約2割を占める一方で、「今後は再雇用者を増やしたい」は8.5%と1割に満たない。「今後は再雇用者を抑えたい」という回答割合が高い企業は、業種別で「建設業」(25.0%)、企業規模別では、再雇用率のもっとも高かった「1000~2000人未満」が28.6%でトップだった。

 再雇用によるメリット(3つまで回答)は、「技術や技能の後進への伝承に効果がある」が76.5%、「労働力不足を補うことができる」が56.9%、「人件費負担が軽減できる」が43.8%など。一方、再雇用の課題(同)では、「元上司・先輩などのため、現役社員が再雇用社員を使いづらい」(41.2%)、次いで「本人のモチベーションの維持・向上が難しい」(39.9%)、「再雇用者ができる仕事や職域を作り出すことが難しい」(39.2%)だった。

 再雇用者の評価と処遇についてみると、「成果や能力を処遇に反映」とする企業は05年調査では48.3%だったのが、07年調査では53.7%、09年調査では57.5%と徐々に高まってきている。「5000人以上」規模ではこの割合が72.4%と高い一方、再雇用率が高く、再雇用抑制を考えている企業割合の高い「1000~2000人未満」、「500~1000人未満」では、それぞれ52.4%、46.2%とやや全体平均に比べて低くなっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003uy7-img/2r98520000003uzp.pdf

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