2010年01月28日-3
消費の一部に経済対策の効果~関西経済レポート

 関経連がまとめた「関西経済レポート」によると、消費の一部に経済対策の効果が見られ、生産が下げ止まっているものの、回復の動きは遅い。雇用情勢は依然として厳しい情勢が続いており、消費も全体として弱い動きが続いている。企業の設備投資も減少。全体として、持ち直しの動きはあるものの絶対水準は低く、厳しい情勢が続いており、先行きはまだ不透明――これが2009年11月までの近畿の経済情勢である。

 近畿の2009年11月までの鉱工業生産指数は91.0、前月比+2.6%と2ヵ月ぶりの上昇。全国の前月比+2.1%、指数88.0に比べ、回復速度は速まっている。生産上昇に寄与したのは、輸送機械工業(鋼船・鉄道車両を除く)+13.7%、一般機械工業+5.6%、鉄鋼業+8.8%等で、品目別ではアクティブ型液晶素子(大型)、船用ディーゼル機関、ボイラ部品、フラットパネル・ディスプレイ製造装置等だった。

 個人消費では、2009年11月の大型小売店売上高(既存店ベース)は前年同月比▲10.8%と20ヵ月連続のマイナス。前月(▲7.5%)からマイナス幅が拡大しているが、全国ベースの▲9.6%に比べ落込み幅は小さかった。百貨店は▲14.1%と21ヵ月連続のマイナス。スーパーは▲8.3%と12ヵ月連続のマイナス。しかし、12月の「景気ウォッチャー調査」による近畿の現状判断DIは37.3、前月比+2.1ポイントと3ヵ月ぶりに上昇している。

 雇用関係では、2009年11月の近畿の有効求人倍率は前月比+0.01の0.46倍、全国は0.45倍でともに0.01アップした。完全失業率を見ると近畿は5.9%で、前月から0.2ポイント低下。全国の5.0%(0.2ポイント改善)に比べ、厳しい状況が続いている。ちなみに、1983年以降で失業率の最悪の値(原数値)は近畿7.1%(2002年7~9月期)、全国5.5%(2002年4~6月期、2003年1~3月期、4~6月期)であった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.kankeiren.or.jp/material/pdf/report/100118kansaikeizaireport.pdf

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