2010年01月25日-3
都内の大学生が行きたい業界のトップは「商社」

 就職・転職情報サービスを行う日経HRが、来年3月卒業予定の都内の大学生・大学院生を対象に実施した「就職活動に関するアンケート調査」結果(有効回答数756人)によると、「行きたい業界」(3つまで回答)は、トップが「商社」で、支持率は29.2%(昨年30.8%)と、3人に1人が志望業界に挙げている。太陽光発電といった時代のキーワードとなる環境分野に積極的に取り組んでいることなどからも、学生の支持が集まったようだ。

 次いで2位が「銀行」(26.2%)、3位「食品」(22.8%)、4位「生保・損保」(21.3%)の順。昨年に比べて伸びが大きかったのは、「銀行」(昨年22.9%→26.2%)、「生保・損保」(同18.0%→21.3%)、「不動産」(同6.4%→9.7%)の3業界。いずれも前年比3.3ポイント増。銀行や生保・損保業界は2010~11年にかけて新たなメガグループが形成されるとみられ、企業規模や安定性を求める学生からの支持が高まったようだ。

 これに対して、「行きたくない業界」(3つまで回答)は、「フードサービス」が15.9%でトップ。2位の「百貨店・スーパー・コンビニ」(13.8%)は、前年比4.7ポイント増と、全40業界の中で行きたくない割合がもっとも伸びてしまった。学生はいわゆる“名ばかり店長”に代表される労働問題や大規模なリストラ、売上の大幅下落などのニュースを目にしたことから、労働条件や将来性などに不安を感じて敬遠したようだ。

 一方、行きたくない割合がもっとも下がったのは「不動産」(9.0%)、で昨年から5.1ポイント減となった。前年調査では大手不動産会社の倒産が相次いだことや内定取消しなどがニュースになったことから行きたくない割合が高まったが、そうした印象が薄れてきたことも下がる要因となったようだ。また、「生保・損保」(11.6%)や「銀行」(11.4%)は、行きたい業界だけでなく、行きたくない業界でも上位に入っている。

 なお、「就職活動をいつから始めたいと考えているか」と質問したところ、3年(院1年)生の「夏」(7~9月)」という回答が25.9%で最多となった。前年調査では、3年(院1年)生の「10月」が26.7%で最多だったのだが、就職環境の厳しさを反映したためか、早めに動き出している学生が増えている。企業の採用活動の早期化が問題視されているが、早い時期から動き出し、就職活動を成功させたいという学生の意識が表れている。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.nikkeihr.co.jp/news/pdf/20100115.pdf

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