2010年01月21日-2
3年以内に課長になる可能性の女性の割合は約1割

 コア人材として活躍できる女性社員の層を増していくことが企業の経営戦略として重要だが、日本生産性本部が実施した「コア人材としての女性社員育成に関する調査」結果(有効回答数129社)によると、3年以内に課長ないし課長相当職になる可能性のある職位に占める女性の割合は約1割程度にとどまっており、管理職全体に占める女性の割合の大幅な改善にはつながりにくい状況にあることがわかった。

 3年前と比べ課長(ないし課長相当職)以上の女性の増減をみると、「かなり増加した」が16.0%、「やや増加した」が41.6%と、5割以上の企業が増加したと回答したものの、「あまり変わらない」(39.2%)、「やや減少した」(3.2%)と否定的な回答も4割強あった。また、今後3年以内に課長相当職になる可能性のある職位の女性は、「かなり増加した」が13.0%、「やや増加した」が48.0%と、計6割にのぼり期待値は高い。

 しかし、3年以内に課長ないし課長相当職になる可能性のある職位の男女比は約9:1で、女性の占める割合は、約1割(10.2%)にとどまっている。また、職位が上がるほど、女性の割合が半減している。課長等への登用を増やすためには、その候補者層を確保していく必要があるが、増加はしてきているものの、上記のように3年後の登用可能者に限っても約1割と少ないため、今後の女性管理職比率の大幅な向上にはつながりにくい。

 女性社員の活躍推進上の課題(3つまで回答)では、「女性社員の意識」(76.2%)、「管理職の理解・関心が薄い」(58.7%)が多く、「育児等家事的負担に配慮が必要」(49.2%)、「男性社員の理解」(41.3%)が続く。女性社員の意識が課題と回答したなかで、男性の上司が持っていることが多いと感じる見方(複数回答)は、「昇進や昇格することへの意欲が乏しい」(69.8%)、「難しい課題を出すと敬遠されやすい」(46.5%)となっている。

 一方、3年前と比べ女性管理職数が増加した企業では、「経営トップが女性社員の活躍推進に対する考えを行動に表したり、メッセージとして発信している」との回答が、61.1%と6割強に達している。また、50.0%の企業で「経営指針または経営計画などで、女性社員の活躍を明文化」、44.4%と4割以上の企業で「経営指針または経営計画などで、女性社員の活躍推進を明文化」など、経営方針への位置づけを行っている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000958/attached.pdf

ウィンドウを閉じる