2010年01月18日-4
09年企業倒産は1万3306件、3年連続の前年比増加

 帝国データバンクがこのほど発表した2009年における法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2009年の倒産件数は1万3306件と前年を4.9%上回り、3年連続の増加となった。月別推移をみると、年前半は増加が続き、6月は集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最多となる1294件を記録。その後、9月以降4ヵ月連続で前年同月を下回るなど、年後半は減少に転じた。

 この要因・背景には、(1) 急速な景気悪化により、製造業、不動産業の倒産が年前半に多発したこと、(2)一連の景気刺激策や緊急保証制度等が一定の効果を上げ、年後半は建設業を中心に減少したこと、(3)不況型倒産(1万833件)が8.4%の増加となったこと、などがある。「不況型倒産」の構成比は81.4%で、前年の78.8%を2.6ポイント上回り、初の80%台となった。

 また、2009年の負債総額は6兆8101億4700万円となり、前年に比べ42.8%の大幅減少。集計基準変更後では、初の前年割れとなった。月別推移をみると、10月が2513億9400万円と基準変更後で最低となるなど、年後半は低水準が続いた。これは、(1)2008年のリーマン・ブラザーズ証券のような負債1兆円を上回る超大型倒産発生せず、(2)負債100億円以上の大型倒産は91件(前年107件)に減少したことなどが要因とみられる。

 負債額別にみると、負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は7955件で、前年の7480件を6.4%上回り、構成比は59.8%。一方、負債100億円以上の大型倒産は91件にとどまり、前年比15.0%の減少となった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が6226件発生し、前年を6.4%上回り、構成比は46.8%となった。緊急支援策などもあり、年下半期の負債100億円以上の倒産は20件(前期71件)に急減した。

 態様別にみると、破産は1万2156件で前年比6.4%の増加、構成比は91.4%を占めた。会社更生法は36件で同24.1%の増加となる一方、民事再生法は786件で同11.1%の減少となった。また、業歴別にみると、業歴10年未満の倒産は3134件発生し、同8.6%の増加。一方、業歴30年以上の倒産は4038件発生、構成比は30.3%(同30.4%)となり、2年連続で30%台の高水準となっている。

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