2010年01月18日-3
09年倒産企業の従業員数は2年連続の10万人超え

 景気低迷が続くなか、企業は収益構造の改善を目的に従業員のリストラを進めているが、リストラ以上に、企業倒産により大量に雇用が失われることになる。帝国データバンクがこのほど発表した「倒産企業の従業員数調査」結果によると、2009年の倒産企業の従業員数は11万7679人となった。2008年の12万3477人を4.7%(5798人)下回ったものの、2年連続で10万人を上回った。

 件数では、「10人未満」が1万492件で前年比7.1%の増加、構成比は78.9%と8割近くを占めた。一方、「300人以上」は26件で同16.1%の減少。従業員数でみると、「10人以上50人未満」が4万7138人(前年比0.3%減)で最多、次いで「10人未満」が1万9850人(同5.2%増)となっている。1社あたりの従業員数は、大型倒産が沈静化し小規模企業の倒産が増加したことから、8.8人(前年9.7人)に減少した。

 態様別にみると、破産、特別清算の「清算型」が前年比4.0%増の8万2272人で全体の69.9%(前年64.1%)を占めた。一方、民事再生法、会社更生法の「再建型」は同20.2%の減少で3万5407人となった。業種別にみると、製造業が前年比39.7%の大幅増加で3万2553人となり、構成比27.7%を占めた。卸売業も同14.3%増の1万5001人と前年比増加。一方、他の5業種はすべて前年比減少となった。

 また、地域別でみると、「関東」が前年比6.5%減ながら4万6556人、構成比37.7%を占めて最多、次いで「近畿」が同7.0%減の1万9458人だった。大手メーカーによるリーマン・ショック後の減産の影響から、製造業の倒産が高水準で推移した「中部」(1万4453人、前年比46.5%増)や、穴吹工務店(11月、香川県)などの大型倒産が散発した「四国」(5044人、同69.7%増)の2地域が大幅増加となった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100103.pdf

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