2010年01月14日-3
2008年度健康食品市場は前年度比1.4%縮小

 矢野経済研究所が健康食品メーカーなどを対象に昨年10~12月にかけて実施した「健康食品市場に関する調査」結果によると、2008年度の健康食品市場規模は前年度比1.4%減の6698億円(メーカー出荷金額ベース)で、2006年度以降市場は縮小基調にある。その背景には、行政による規制・監視の強化、健康情報番組の減少によるヒット素材などの不在に加え、景況感悪化による消費者の支出抑制傾向の強まりが最懸念要因としてある。

 こうした消費者の消費不振は高額品を中心に影響を及ぼしており、効用に対する価値と商品価格を冷静に見極め、不要不急の摂取抑制をする消費者も多いと推察している。その一方で、コラーゲンなどの美容関連や関節対策で人気の高いグルコサミンは厳しい状況のなかでも堅調に推移している。だが、2009年度も消費者の消費抑制傾向は強固になると考えられるため、前年度比1.2%減の6620億円との予測だ。

 2008年度の通信販売市場規模は前年度比4.2%増の2140億円で、唯一市場を拡大したチャネルだった。また、店舗販売が概して苦戦を強いられているが、最大チャネルである薬系卸(ドラッグストア、薬局・薬店への卸)は低価格のサプリメントや美容食品が好調で、2008年度市場規模は870億円、前年度比1.0%減と微減だった。過去2年間で減少幅は縮小したが、それ以外の流通チャンネルについては大幅な減少だった。

 健康食品市場を素材別にみると、新たなヒット素材不在の状況が継続し、市場全体が停滞している感もあるが、こうした厳しい状況のなかでも、コラーゲンやヒアルロン酸は成長が鈍化しているものの拡大基調にある。美容訴求という効用に加えて、アンチエイジング、エイジングケア(中高年齢対策)などを訴求する素材は今後も引き続き堅調に推移するものと予測している。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.yano.co.jp/press/pdf/575.pdf

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