2010年01月12日-2
2010年は「質の高い採用」、「リーダー育成」の年に

 インテリジェンスが運営する求人情報サービス「an」が企業の人事・採用担当者を対象に昨年12月1・2日に実施した「2010年採用・人材育成に関する意識調査」結果(有効回答数1000人)によると、人事・採用担当者が従業員の採用・育成に関して、今関心があること(複数回答)は、「より良い人材を採る方法」が57.4%でもっとも関心が高く、次いで「人件費について」が49.8%で続いた。

 採用に関連した項目では、「人を早く採る方法」(6.6%)や「より多く人を採る方法」(6.5%)などと比べても、上記の2項目が突出している。理由をみても、「人件費の関係で、質の良い採用を行い少数精鋭での運用を行わないと厳しい」、「人件費の削減を余儀なくされるなか、採用の量を抑制しつつ人材を育成する手腕が問われている」など、「早く」、「多く」よりも、人件費を抑え、より、質の高い採用を目指すといった傾向が顕著に表れている。

 従業員の育成に関して、昨年と比較した2010年の対応については、「2009年より強化したい」が42.5%で最多、次いで「特に2009年と変わらない」が37.0%、「2009年より抑制したい」は7.6%だった。強化したいと回答した企業が具体的に検討中の対応(複数回答)は、「研修を強化する」(56.4%)、「ジョブローテーションや異動を行い、活性化を図る」(39.9%)、「OJTを強化する」(37.8%)の順だった。

 こうした対応を検討する理由としては、「採用後も継続して教育研修を行いながら育成したい」、「従業員の効率アップを図りたい」といった、積極的な人材育成への声が挙がっており、2010年は、採用した人材の育成により力を入れる年になりそうだ。今回の調査から、2010年の人事施策では、「質の高い人材の採用」と「採用した人材の育成強化」がカギとなることがうかがえる。

 不況下で人件費の見直しを迫られる企業が増えるなか、より良い人材へのニーズの高まり、有資格者や即戦力となる人材の採用に苦戦する企業もみられており、従来にも増して採用活動自体のクオリティが問われている状況だ。一方、「人材育成のチャンス」と、不況の今を前向きに捉えている企業も多く、採用した人材の育成に重点を置き、次世代リーダーを育てる良い機会ともなるのではないだろうか。

 同調査結果の詳細は↓
 http://weban.jp/contents/an_report/pdf/trend/trenddata201001.pdf

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