2010年01月07日-2
09年の映画関連業者の倒産は01年以降で過去最多

 帝国データバンクが、2008年度に決算期を迎えた映画関連業者について制作・配給・興行の3業種を対象に実施した「映画関連業者の経営実態調査」結果によると、前期と比較可能な337社の2008年度の売上高合計は、合計で前期比6.6%増の6617億4600万円となった。邦画のヒット作に恵まれたことで全体を押し上げたといえるが、2008年に公開された邦画の興行収入上位20作品の配給会社をみると、実に16作品までが東宝だった。

 売上高上位10社のシェアは67.3%、東宝(984億円)、松竹(619億円)、東映(612億円)の上位3社でも33.5%に達し、売上上位ほど前期比の伸び率が大きいことからも、大手企業の影響の大きさがうかがえる。前期比で増収となったのは337社中30.6%にあたる103社、横ばいが同28.5%の96社だった一方、減収は同40.9%の138社ともっとも多く、実際は半数近くが前年比減収だったことが分かる。

 損益面では、前期と比較可能な126社の2008年度の税引き後利益の合計は、104億453万4000円の赤字となった。上位10社、上位3社の合計ではそれぞれなんとか黒字を確保したものの、大幅な減益となった。各社ごとにみても、黒字を確保した業者は前期比9.7%減の84社(構成比66.7%)だったが、赤字計上を余儀なくされたのは同27.3%増の42社(同33.3%)で、業界全体としての収益性は悪化している。

 一方、2009年の1月~11月の映画関連を含む映像制作、配給、映画館の倒産は43件発生した。近年は増加傾向にあり、2009年は2001年以降最多となった前年の36件を11月時点ですでに上回るなど、業界環境の厳しさが一段と鮮明になった格好だ。3業種ともに増加傾向となっているが、特に顕著なのが配給業者で、2001年以降0~2件で推移していたものが、2009年に入り11月までにすでに4件発生している。

 同経営実態調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p091206.pdf

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