2010年01月07日-1
建設業法の遵守、指導の必要のない建設企業は2.7%

 国土交通省が全国の建設企業を対象に昨年8月5日から9月1日にかけて実施した「2009年度下請取引等実態調査」結果(有効回答数1万3765社)によると、元請・下請を問わず建設工事を下請負人に発注したことがある建設企業1万654社のうち、建設業法に基づく指導を行う必要がないと認められる企業(適正回答者)はわずか2.7%(288社)に過ぎず、多くの建設企業に何らかの建設業法違反が認められる結果となった。

 建設業許可区分別にみると、大臣・特定建設業許可業者の適正回答率が14.8%ともっとも高く、知事・一般許可業者が0.3%ともっとも低い。資本金階層別では、資本金「300万円未満」の建設企業の1.0%から「100億円以上」の22.8%まで、資本金が大きい建設企業ほど適正回答率が高い。都道府県別では、適正回答率がもっとも高いのは「熊本県」の8.2%だったが、適正回答率が0%の自治体も11県あった。

 下請負人として建設工事を受注したことのある建設企業1万384社のうち、元請負人から「不当なしわ寄せを受けたことがある」、「しわ寄せを受けた工事を知っている」と回答した建設企業は10.7%だった。資本金規模の小さいほど、不当なしわ寄せの経験等が多い。具体的なしわ寄せの内容としては、「追加変更契約の締結の拒否」(18.7%)、「下請代金の支払保留」(17.1%)、「やり直し工事の強制」(12.8%)などが挙げられている。

 また、元請建設企業として建設工事を発注者(施主)から直接受注したことのある1万98社のうち、発注者から「不当なしわ寄せを受けたことがある」、「しわ寄せを受けた工事を知っている」と回答した建設企業は7.1%だった。発注者の内訳としては、「公共機関等」が29.4%、「民間企業」が43.9%、「個人」が19.3%。不当な取引の内容としては、「追加・変更契約の締結拒否・サービス工事の強要」が35.7%を占めて最多だった。

 同実態調査結果の詳細は↓
 http://www.mlit.go.jp/common/000056173.pdf

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