2010年01月04日-1
百年に一度の不況克服の取組み、1位は「営業強化」

 日本商工会議所が全国515の会議所会頭を対象に実施した「全国商工会議所会頭アンケート」結果(有効回答数325人)によると、百年に一度の不況を克服するために昨年1年間で行ってきた取組み(複数回答)は、1位が「営業強化」(57.5%)で半数を超える回答を得た。以下、「人件費以外の経費削減」(45.8%)、「人件費削減」(32.9%)、「人材育成」(31.7%)、「設備投資抑制」(22.8%)などの取組みが続いた。

 売上減少に際し、これまで通りの利益水準を確保するための方策は大きく分けて2つある。一つは売上水準を回復させること、そしてもう一つは経費を削減すること。もっとも多くの回答があったのは「営業強化」だが、落ち込む売上に対して、さらなる営業強化を図ることで現状を打開しようという経営者の攻めの気概が明らかになった。経費削減は、自助努力で成果が出やすい分野だからこそ、取り組んでいる企業も多い。

 また、中小企業の企業存続のカギとなっているのは、良質な人材の確保と、少人数の創業での利益確保の実現だ。そこで、今、企業人として働き手にもっとも求める能力を聞いたところ、約3分の1が「実行力」(32.0%)を挙げ、次いで「主体性」(16.3%)、「創造力」(16.0%)などとなった。「明日も見えない状況のなか、とにかく気概を持って実行すべき」という「実行力」が重要との声が多く寄せられたという。

 全国各地では経営資源を積極的に活用して、地域のPRや地場産業の振興に努める動きがみられる。そこで、あなたのまちならではの地域資源を聞いたところ、「ものづくり技術・伝統工芸」(23.1%)、「自然地理」(21.5%)、「農林水産品」(17.8%)、「史跡・建造物」(13.2%)などが上位に挙げられた。「ものづくり技術・伝統工芸品」では、具体的名称として、漆器、織物、刃物、家具や、金属加工、自動車部品製造などが例示されている。

 同アンケート結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/nissyo/kaito/kaito20100101.pdf

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