認定要件のハードルの高さが指摘されていた認定NPO法人は、2002年度税制改正で役員・社員からの寄附金も寄附金総額に含めることが可能となったが、2002年11月末現在で10件にとどまっている。しかし、2003年度税制改正では、認定要件が大幅に緩和されることから、非営利活動法人(NPO法人)に優遇税制を認める認定NPO法人の増加が期待できそうだ。
認定要件の緩和では、まず「総収入金額のうちに寄附金総額の占める割合が3分の1以上であること」という、いわゆるパブリックサポートテストに関して、 1)2003年4月1日から2006年3月31日までの3年間は寄附金割合を5分の1以上に緩和する、 2)一者からの寄付金等について、寄附金総額に算入できない金額を寄附金総額の5%(現行2%)を超える金額とする、 3)寄附金総額に含めない一者からの寄附金最低金額を3千円未満から1千円未満に引き下げる、などの措置が講じられる。
また、複数の市区町村で活動していなければならないという活動範囲の要件も削除されることから、地域密着型のNPO法人にも認定の道が開かれる。さらに、公益法人等に認められているみなし寄附金制度が認められる。具体的には、収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額については、その収益事業に係る寄附金とみなすとともに、寄附金の損金算入限度額を所得金額の20%とするというもの。
みなし寄附金制度は認定された後の税制支援の拡充だが、入り口での認定要件が大幅に緩和されることから、認定NPO法人が2003年4月以降に一気に増える可能性が出てきたようだ。認定NPO法人の増加によって、公的サービスのアウトソースや営利企業では提供できないサービスの提供などを通じて新たな市場や雇用を生み出す効果を期待する声もある。
【7.大学寄付】
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