ゼイタックス |
||||||
![]() |
||||||
5.罰則を重くしてはどうか… | ||||||
![]() |
||||||
クロヨンをどうにかしてくれというこの連載、あちらこちらに右往左往しながら未だに決定打はない。(最後まで何もないんじゃないの?そんな不信の声が聞こえてきそう。もう少しお待ちください。確約はできないけど…。なにっ!!)今回は、税金をごまかすものには重い罪でもって“表彰”しようという「罰則規程の整備」。 申告納税制度が導入され50年を経たいまでも「税は取られるもの」という意識が根強くある。国税労組の提言によると、この一因は、申告納税義務、つまり自分の所得をうそ偽りなく正しく計算して税金を納めなければいけないという国民の義務を果たさなかった場合の罰則が非常に軽いことにあるという。罰則規程があっても、現実にその機能を果たしていないという現行制度にその一因があるというのだ。 そこで、申告納税制度が正しく行われるために、罰則規程について次のような提言をしている。 1)繰り返して不正申告をする者に対する重い罰則制度の創設 2)不正申告をほう助する者に対する罰則制度の創設 3)悪質な滞納者に対する罰則制度の創設 4)正当な理由がなく質問検査権の行使に応じない場合の罰則規程の強化 5)記帳・記録保存義務違反に対する罰則制度の創設 6)法定調書提出義務違反に対する罰則規程の適用手続きの強化 7)各種加算税の税率の見直し 脱税は「犯罪」であり、割に合わないという納税者意識を育てるために、脱税者には相当の罰則を科そうということだ。例えば、1億円の所得をごまかしたら1億円の罰金を取る。後で不正がばれても、正しく申告しなかった分が全てなくなるわけではないから、ついつい「ごまかしてしまおうか」という気持ちを起こさせないぐらいの罰則にする。 いかがなものであろうか。確かに、罰則規程を重くして「脱税は割に合わない」ということを納税者に知らしめれば、少しは脱税が減るだろう。しかし、罰則規程を重くするためには国民の合意が必要だが、わが国はアメリカのように脱税は「社会的犯罪」だという風潮がないように思う。かのギャングの帝王アル・カポネは、殺人や密造酒の製造などで捕まったのではなくて、脱税で逮捕されたことが致命傷となったのだ。 つまり、税金をごまかしたことがばれても、わが国の一般的な感想は「運が悪かったね」といったところではなかろうか。申告納税制度導入後の50年間で納税強力団体の方々を中心に、「税金を正しく申告することが国民の義務である」との納税道義の高揚に向けた努力がなされてきたが、まだまだ国民の意識には十分に根付いていない。申告納税制度の仕組みは定着したが、多くの納税者の税金に対する意識は「税は取られるもの」ということなのだ。 |
||||||