消費税の"益税"解消を目的とした中小企業に対する優遇措置の見直しは2004年4月1日以後開始する課税期間からの適用となる。免税点は3千万円から1千万円に、簡易課税制度は2億円から5千万円に各適用上限が引き下げられる。政府税調の答申では、簡易課税制度は原則廃止すべきだとされていたが、中小・零細事業者への急激な負担増を避けたものとみられる。
★法人はすべて免税点廃止となるか注目される しかし、簡易課税制度の適用事業者は全事業者の47%から22%まで激減する(2000年度のデータ)。一方、免税点のほうが1千万円まで引き下げられるのは大方の予想通り。ただ、政府税調の答申では、法人は納付税額の有無にかかわりなく申告義務があることなどから、免税業者から除外すべきだと提案している。与党の大綱には記載がなく、法人はすべて廃止となるのか今後注目される。
免税点の適用状況(2000年度のデータ)からみると、全事業者の62%を占めていた免税事業者は、39%まで割合が下がる。課税売上高1千万円以下の事業者は、個人が31%(183万8千事業者)、法人が8.0%(47万6千社)。現在は、免税点制度の適用事業者の半分が課税売上高1千万円以下の中小・零細事業者というわけだ。
★年税額6千万円超の事業者は毎月中間申告納付 消費税の中間申告納付については、いわゆる運用益解消や滞納未然防止の観点から、納付回数を増やすことも焦点となっていた。大綱では、直前の課税期間の年税額が4,800万円(地方消費税込み6千万円)を超える事業者は、原則として、前年確定税額の12分の1の中間申告納付を毎月(現行3ヵ月ごと)行わなければならないとされた。
★価格表示は消費税込みを義務付け また、価格表示は消費税を含めた総額を明らかにすることを2004年4月から義務付ける。今はやりの「100円ショップ」や「100円寿司」などは戸惑いの色を隠せないという。確かに、薄利多売の中で、さらに5%をコスト削減するのは容易なことではない。そのほかにも、「980円」や「1,980円」など大台一歩手前での安値感をイメージさせる価格表示もコスト削減が必要になる。業者泣かせな改正である。
【6.外形標準課税】
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