ゼイタックス

株式譲渡益等は5年間10%の優遇税率

 証券税制の改正では、株式譲渡益、配当、株式投資信託の収益分配金の税率を原則20%に統一した上で、5年程度は一律10%の優遇税率を適用する。課税方法は、源泉徴収のみで納税が終わる申告不要とする仕組みを導入する。10%の税率適用は、株式譲渡益、配当、株式投信で実施時期が違うので注意が必要となる。

 株式譲渡益は2003年1月から5年間、配当は2003年4月から2008年3月末まで、株式投信は2004年1月から2008年3月末まで、それぞれ10%の優遇税率の適用となる。これに伴い、株式等に係る配当所得の35%源泉分離課税の特例は、2003年3月末をもって廃止される。株式投資信託の償還・中途解約による損失は、2004年1月から株式譲渡益との損益通算が認められる。

 また、上場株式等の譲渡益課税を5年間優遇税率10%とする特例を創設したことに伴い、1)1年超の長期所有株式等の譲渡所得等に対する暫定税率の特例、2)1年超の長期所有上場特定株式等の譲渡所得に係る100万円特別控除の特例は廃止される。1)は税率が10%なので問題ないが、2)は100万円までの譲渡益を非課税とする特例だ。小口の投資家は増税となるケースも出てくる。

★特定口座の源泉徴収方式を年間分一括納付方式へ
 今回の改正では、複雑で分かりにくいとの新証券税制への批判に対応して、源泉徴収を選択した特定口座である源泉徴収口座の見直しなども行われる。11月の改正政令で対応した見直しに続くものだ。まず、源泉徴収口座における源泉徴収方式を2004年1月から、現行の毎月国庫納付から年間分を一括して納める仕組みに改める。

 具体的には、2004年1月以後の源泉徴収口座の源泉徴収方式を、取引の都度、その源泉徴収口座に係る年初からの通算所得金額の増減額の15%(2007年までは7%)相当額の所得税の源泉徴収または還付を行い、年末において還付されずに残っている源泉徴収税額を原則翌年1月10日までに一括して納付する。

 2003年中の源泉徴収口座については、15%(同年4月以降は7%)の税率での源泉徴収や月ごとの納付・還付の仕組みを維持した上、その年中に源泉徴収した所得税の還付金額を除いた合計額が、年間通算所得金額の7%相当額を超える部分の金額を還付する。つまり、年末段階で調整して、還付申告が不要になるような仕組みとするわけだ。

【4.土地・住宅