ゼイタックス |
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全中小法人の8割が対象の留保金の課税停止措置 | ||||||
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2003年度税制改正の中の中小・ベンチャー企業支援では、同族会社の留保金課税の停止措置は全中小法人の8割以上が対象となる。改正内容は、自己資本比率が50%以下の資本金1億円以下である中小法人の、2003年4月1日から2006年3月31日までの間に開始する事業年度については、留保金課税を停止する。自己資本比率は、総資産に占める自己資本(同族関係者からの借入金を含む)の割合。 法人の所得が株主に配当として支払われる場合、個人株主にはその受取配当に対して所得税がかかる。ところが、同族会社は、個人株主の所得税の負担を避けるために、法人所得を配当せずに内部留保しようとすることが少なくない。そこで、同族会社が所得を内部留保した場合の一定限度額を超える金額に対して10~20%の税率で追加的に課税する制度が留保金課税である。 具体的には、社内留保金額から留保控除額を差し引いた留保金額に対して、年3千万円以下は10%、1億円以下は15%、1億円以上は20%のそれぞれの税率による税額が、通常の法人の税額のほかに加算される。留保控除額は、1)所得基準額「所得×35%」、2)定額基準額「1500万円」、3)積立金基準額「期末資本金の25%相当額-利益積立金」の3基準の中で最も大きい金額である。 留保金課税制度は間接的に配当を促すための制度だが、今回の改正の背景には、長引く不況の中で体力が落ちてきた中小企業を強化する必要性が求められていることがある。不良債権処理の加速化や資金調達環境が悪化する中で、中小企業に残された手段は自己資本の充実だ。将来の投資に備え、内部留保を充実させ、中小・ベンチャー企業の成長を促すことが今回の改正の狙いだ。 なお、現行の留保金課税の特例である、1)創業10年以内の中小企業及び新事業創出促進法認定企業、2)前年度の試験研究費及び開発費の対売上高比率が3%超の中小企業、に対する留保金課税の停止は2003年度改正後も存続する。一方、2002年度税制改正で手当された、2年間の措置として資本金1億円以下の法人にかかる課税留保金額に対する税額の5%軽減措置は廃止される。
【会社株特例】 |
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